【過去分】大会環境の推移-1

如何月 環境変遷

著者:どら

本ページでは、これまでの公式大会の流れに沿って、その時々にどのような要素が勝つために必要と考えられていたか、どのようなカードが流行っていたかを解説する。
こちらの内容を追っていくだけで最初期から最新の環境までをおえるようになっているため、「どうやって強いデッキを組めばよいかわからない」「何が強いかわからない」という方は参考にしてほしい。

如何月は一月に1-2弾のペースで新カードが発売されるため、以下の月一で開かれる過去の大会・交流会情報をベースに解説する


【東方如何月2021年第四回大会】

2021年最後の大会。
浅草橋の不知火をお借りして実施された。
例大祭後の打ち上げも兼ねて、主催のカバヂさんによる手料理もふるまわれた。
今回は比較的参加者が多く、カバヂさんや不知火のオーナーである中条さんを除いても8名のプレイヤーが揃った。
環境としては悪魔の姉妹デッキが追加されている。
オープンルールかつトーナメントでの大会。

本大会では新弾の悪魔があまりにもインパクトが強かったため、大会参加者も半分くらいは悪魔デッキだったと思われる。
当然注目されたのはこのカード。

7レミリア.jpg

細かいことは置いておいて、悪魔だったら手札コストが不要になると書いてある。
これがどういうことか説明する。

攻撃性能の面でいえばこのあたりのカードを見ておけばその強力さが伝わるだろう。
実質確定撃破以上の効果を持つ低数値カードが使いたい放題。
11スカーレット姉妹に至っては11を使いまわし放題などというありえないレベルの大盤振る舞いである。
攻撃失敗はしないは常に2枚落としのチャンスはあるわめくりまくるから情報戦も得意だわ、攻撃という1点のみであればもはや非の打ち所がない。

11スカーレット姉妹 修正.jpg幻想郷異伝6くるみエリー.jpg5レミリア.jpg4フランドール・スカーレット.jpg

では防御はどうかというと、平均レベル......どころかこれまた圧倒的に強力である。
3小悪魔は異常に回収範囲が広いうえ撃破条件もなく回収効果最強クラスのカードになるし、それに輪をかけてやばいのが12スカーレット姉妹である。
このカードは12であるため、当然回避成功する可能性が高い。
回避成功した上で回収を決められると一気に2枚差をつけることができる。
12枚のカードで戦うゲームで、このカードが攻撃されるだけで+2、しかも次のターンの攻撃では、12という最強の攻撃力で確実に通すのも弾幕攻撃をしてさらに次につなげるのも自由自在である。
いままでの地味っぷりはどこへ行ったのか、本気を出した紅魔館が強すぎる件について。

3小悪魔.jpg12スカーレット姉妹.jpg

これだけ強力なカードのオンパレードであるから大会でも大人気になるのは当然といえる。
人間と悪魔を中心に組む+自機が固定ということで、終盤戦では他のデッキに対して譲る部分もある。
しかしそもそも終盤戦というのは互角かちょい有利不利という状況を想定して構築されるので、序中盤に12スカーレット姉妹や3小悪魔をきめられて圧倒的枚数差をつけられていたらどうしようもなかったりするから関係ないのだ。

そんなわけでもちろん悪魔の優勝である。


1チルノ.jpg2フラン美鈴.jpg3小悪魔.jpg4フランドール・スカーレット.jpg
5慧音.jpg幻想郷異伝6くるみエリー.jpg7レミリア.jpg8レミリア.jpg
9パチュリー.jpg10咲夜レミリア.jpg11バックダンサーズ.jpg12スカーレット姉妹.jpg

2回攻撃や弾幕攻撃を多用できるため、8レミリアによって相手の自機位置を移動し自機狙い弾幕攻撃を通すワンキル系のギミックもはさみつつ、悪魔の強力なカードでごり押していく構築。
終盤札が1チルノしかなく自機の配置入れ替えなどもないため、グレイズを通されやすいところは気になるか。
とはいえ悪魔は12スカーレット姉妹や3小悪魔を踏ませればだいたい勝ちというパワーの高さもあり、優勝自体は納得のいく結果といえる。
今後の悪魔対策の研究とそれに対しての調整がどうなっていくのか期待がもたれる。


1チルノ.jpg2上白沢慧音.jpg3橙.jpg4霧雨魔理沙.jpg
5吉弔八千慧WIKI.jpg7ゆうめでぃ.jpg7古明地さとり.jpg8豊聡耳神子.jpg
9藤原妹紅.jpg10封獣ぬえ.jpg11八千慧&早鬼&饕餮WIKI.jpg幻想郷異伝12夢月幻月.jpg

準優勝は悪魔......ではなく妖獣。
デッキ自体の解説は前回を参照。
こちらは攻撃スペル封じが潤沢にあるため、悪魔の強力な攻撃スペルを封じ込めることで優位をとる狙い。
実際大会やフリーでも悪魔に対しての勝率は高いが、12スカーレット姉妹を踏まされるのがかなり厳しいという決勝戦だった。
攻撃スペルを通されること以上に、回避スペルをどう止めるかというのが悪魔対策における課題になるかもしれない。


少し前のImmpossible Spell Cardによる大幅妖精強化もインパクトがでかかったが、今回の悪魔もかなりやばい。
終盤戦など無視して序中盤に有利をとるだけで勝てるデッキができてしまい、如何月のデッキ構築論が大きく変わる可能性もみられ、如何月の時代の節目となりうるような弾となったといえる。

また、今までなんだかんだと環境に生き残っていた通称ガチデッキだが、ここまでくるとさすがに環境からは外れていくと思われる。
ガチデッキは9妹紅による平均攻撃力の高さと、硬い回避カードによる回避成功と11豪族による回避の使いまわしによって序中盤にアドバンテージをとり、高性能の終盤戦で詰めにいくというデッキだ。
回避で強いうえに攻撃性能が高い悪魔はコンセプトが序中盤までのコンセプトが似通っているところもあり、その両方の要素で大きくガチデッキをうわまわっているため、今後はその立ち位置に悪魔が入ると思われる。
ガチデッキで序盤中盤をとりまわすより、悪魔の終盤を強化したほうが強いのだ。

また、いままで強力な種族デッキの代名詞だった妖精についても、立場は厳しいものになっていくことが予想される。
まず悪魔デッキが高数値自機に関係なく自機狙いで勝ちうるデッキであることに加え、回収能力という意味でも妖精より悪魔のほうが強力だ。
妖精は回収対象を捨て札に送るために9妹紅など攻撃性能が高くない札が必要になるが、悪魔は最大の火力を発揮しながら回収の準備も行える。
妖精は回収したカードの用途に困ることが多いが、悪魔にはそんな心配はない。
そして妖精の盤面は低い数値で固まりやすいが、悪魔はそういう盤面を相手にすることをより得意にしたデッキである。
妖精が優れる点は最終盤面における生存能力ということになるが、その差で勝てるかどうかというのが今後の課題になるだろう。

ただし、悪魔は回避スペルさえ決まらなければ強すぎるという事もなく、終盤戦に持ち込めれば自機の差で押さえつけることも十分視野に入る。
そうして環境が回った先がどうなっているかはわからないところもあるので、まだまだ判断には早いかもしれない。




【東方如何月2021年第三回大会】

第二回、第三回は同時開催。
浅草橋の不知火をお借りして実施された。
環境の更新としてはRelease of Abilityが追加されている。
オープンルールかつトーナメントでの大会。

今回最もデッキ構築に影響をあたえた新弾の2枚を紹介しよう。

1メディスン・メランコリー.jpg

1メディスンは、2理香子が出たときにも騒がれた攻撃不可デバフを与える効果で、自機狙い弾幕攻撃を通すことや次のターンの確定撃破につなげられる優秀な攻撃スペルもちだ。
このカードが環境に与えた影響は、この効果が手札を捨てることでしか止められないということにある。

幻想郷異伝2朝倉.jpg

2理香子であれば、相手は守護札を破棄することで効果を防いだり、なんなら攻撃対象になりそうなカードを破棄することでグレイズを誘発できたりもするのだが、1メディスン相手にそれはできない。
手札を捨てることでしか止められないので、2理香子と違い終盤で使われる可能性があり、最終盤での攻撃不可は勝敗を逆転するほどのパワーがある。
その上で序中盤に使うと今度は中央を止められて自機狙い弾幕攻撃される恐れがあるため手札コストを払わねばならず、アドバンテージだけ見れば実質確定撃破になってしまうのだ。
序盤中盤終盤隙が無いカードでありながらその1という数字はあまりにも軽い。
4咲夜などの自分守護札を表にするデメリットの対象として、つまり囮としても非常に優秀だし、普通に使っても優秀。
なんなら11四季映姫&小町を採用して回収するのも容易で、序盤にも終盤にも大活躍できてしまううえ人形という種族も優秀。
長らく1の枠としてはほぼ1強だった1チルノとバチバチにはれる超良性能カードといえるだろう。


2上白沢慧音.jpg

2慧音は圧倒的にユニークな効果でありながら、2という比較的層の薄い数字であることが素晴らしい。
その効果は自機入れ替えしながら自機だったカードで攻撃するという変則的なもので、このカードにより以下のようなカードの運用がかなり楽になっただけでなく、捨て札に依存せず撃破にも依存せず先行初手非攻撃不可の大会ルールにも抵触しない唯一安定先行自機入れかえカードでもある。

5水橋パルスィ.jpg8正邪.jpg11バックダンサーズ.jpg

もちろんそれだけではない。
2慧音の効果は7さとりでコピーすることでより高い効果を発揮する。
2慧音弱点は自機を最弱レベルに落とし込んでしまう巨大な隙であるが、7さとりでコピーしてしまえば自機を強力なワイルドカードにしながら2慧音のメリットだけを享受できるうえ、なんなら入れ替えず普通にコピーで戦うという選択肢も持っているのだ。
これまでは4魔理沙などラストアタックでは優秀なものの守るのが難しい低数値自機を使わざるを得ず、いかに自機を守るかという点に構築を縛られがちだった低数値デッキに多大な影響を与えたのだ。

7古明地さとり.jpg4霧雨魔理沙.jpg

また、これまでは全く使われなかった条件付き入れ替えである8神子も、2慧音と合わせることで地味ながら強力な運用をおこなえるようになった。
実質2の火力を8にしつつも自機を8に維持でき、自機入れ替えを条件とするカードの条件もみたせるのだ。
数値上昇6というのは比較的強力な戦力増強効果といえ、見た目は地味ながら確実にハイパワーな運用といえる。
また忘れてはいけないのが、11八千慧&早鬼&饕餮などによる回収で繰り返し使用できる点だろう。
通常であれば自機になってしまうため捨て札にはいかず再利用も難しいところだが、8神子であれば2慧音を用意に使いまわすことができる。
8を自機にして高い防御性能を保ちながら、回収によるハンドアドバンテージも確保できるうえ、2を8に変換するという大上昇を複数回繰り返すことができてしまう。
少し面倒ながら、守護札の配置を読ませにくい9妹紅というところだろうか。


しかも前述の7さとりによる2慧音コピーを併用すると、

①2から8に変換して数値アドバンテージをとりつつ11八千慧&早鬼&饕餮の捨て札条件を満たす
②7から8に変換して数値アドバンテージをとりつつ自機を7さとりという強力なワイルドカードに変更し終盤力を向上
③11八千慧&早鬼&饕餮で2慧音を回収し、ハンドアドバンテージを加算
④終盤に2慧音から7さとりを前に出すことができ、圧倒的選択肢の立ち回りを実現。

8豊聡耳神子.jpg11八千慧&早鬼&饕餮WIKI.jpg

というように、テクニカルだが派手で強力な動きを実現することができるのだ。
もちろん撃破を条件とする以上運用難易度は高いため、単に使えば強いというものではなく高度な読みや戦略が必要で容易に使いこなせるものではないが、如何月というゲームをさらに奥深いものに拡張したカードだといえるだろう。

これらを踏まえたうえで今大会で活躍したデッキを紹介する。




1メディスン・メランコリー.jpg2大妖精.jpg3チルノ.jpg3咲夜.jpg
5村紗水蜜.jpg6杖刀偶磨弓WIKI.jpg幻想郷異伝7靈夢.jpg8咲夜&美鈴.jpg
9藤原妹紅.jpg10封獣ぬえ.jpg11古明地こいし.jpg12妹紅.jpg

ぱっと見わかりにくそうなデッキなのですこし厚めに解説を入れておく。(著者のデッキじゃないので想像だけど)
今回優勝したのは11こいしを自機にして低数値自機を殺しやすくしつつ、終盤戦術として6磨弓と7旧霊夢による配置入れ替え系を採用したグッドスタッフ系のデッキ。
終盤については上位環境ではやっている4魔理沙や1チルノを強く意識した構築といえる。
入れ替えを容易に行える終盤構成のため10ぬえを序中盤でも投げやすくなっている反面、1チルノや7さとりを採用できていないため後攻をとって不利になると巻き返す力が低くなりやすく、大会用チューンというのが見て取れる。
4咲夜の高火力を取り入れつつ、4咲夜のデメリットの対象として選びやすい1でありながら放置もしにくい1メディスンで相手へのけん制もしている。
昔懐かしい元祖妖精の回収ギミックと相性のいい9妹紅のセットや、高自機の低くなりがちな弾幕耐性をケアする5村紗など、若干の懐かしみも覚えるが良バランスな構築。
新弾の影響は1メディスンのみ。
攻撃性能が高い1といえば1夢美&ちゆりもあったがあちらは回避スペルを使用できなくなるため、新弾を活かした構築といえるだろう。



1チルノ.jpg2上白沢慧音.jpg3橙.jpg4霧雨魔理沙.jpg
5吉弔八千慧WIKI.jpg7ゆうめでぃ.jpg7古明地さとり.jpg8豊聡耳神子.jpg
9藤原妹紅.jpg10封獣ぬえ.jpg11八千慧&早鬼&饕餮WIKI.jpg幻想郷異伝12夢月幻月.jpg

準優勝は自機8神子の妖獣デッキである。
新弾カードは2上白沢慧音のみ。
前述の2慧音と8神子を利用した入れ替えコンボを軸に、5吉弔八千慧や12夢月&幻月による攻撃スペル封じによるコントロール、9妹紅や2-8コンボによる平均打点の確保、6幽香&メディスンによる高数値撃破、11八千慧&早鬼&饕餮による確定回収や3橙によるハンドアドバンテージ確保を取り入れつつ、終盤は1チルノや10ぬえ、12夢月&幻月を使ったスタンダードに強いものを組み合わせている。
終盤に11によって2を使うことになるが、この時自機を7さとりにしていなくても、2-8サイクルは自機の位置を変更できるというテキストに書かれていない終盤効果を持っているので実はそこそこ十分だったりすることは覚えておきたい。(もちろん7にしていた方が強くはある)
手の幅が広く、強く使えれば多くのデッキと互角以上に戦えるパワーをもつ反面、運用が非常に難しいデッキともいえる。

9お空.jpg

妖獣で自機入れ替え条件の強力なカードとして9霊烏路空がありデッキとしてはこちらのほうが美しいが、2慧音を使用するには盤面を読む必要があるため、9妹紅をつかって相手の場に9以上があるかないかを探りながら、2慧音を9妹紅のコストにすることも考慮したうえでの構築となっている。
4魔理沙や2慧音、3橙などそのままでは守護札運用しにくい低数値が多く積まれたデッキであるため相性はいい。
9妹紅で3,4をコストに攻撃し、11で2を回収し、2-8サイクルを決め、7-8サイクルを決め、2-7サイクルを決め、6で10をおとせれば数値にして29もお得になってしまう。
通常のデッキが1-12の和である78パワーとして、こちらは107パワーという新生ガチデッキともいえる超パワーでパパパーパーパーパパーワー。




【東方如何月2021年第二回大会】

第二回、第三回は同時開催。
浅草橋の不知火をお借りして実施された。
大会実施時点でRelease of Abilityが追加されていたが、黄昏の宴デッキが追加された直後の大会がコロナウィルスの影響で開催できていなかったため、この大会では黄昏の宴デッキまでのカードを使用するというレギュレーションとなった。
オープンルールかつ総当たりでの大会。

黄昏の宴デッキではいくつか便利だったり面白い効果のカードが追加されたものの、大会環境に与える影響はあまりなかった。
選択肢を広げるカードは増えたが、強力な動きが追加されたわけではないので過去に強力だったデッキが順当に強かったという印象。
また、そもそもこの日には東方如何月2021年第三回大会が同時開催されており、参加者のデッキ構築モチベーションがRelease of Ability環境のほうにとられていたというのも少なからず影響していると思われる。


1チルノ.jpg2鬼人正邪WIKI.jpg3射命丸文.jpg4霊夢紫.jpg
5吉弔八千慧WIKI.jpg6杖刀偶磨弓WIKI.jpg7古明地さとり.jpg8咲夜&美鈴.jpg
幻想郷異伝9幽香.jpg10封獣ぬえ.jpg11藍.jpg幻想郷異伝12夢月幻月.jpg

今回優勝したのは前回大会の優勝デッキ。
ゲーム序盤から攻撃スペルを封じていき、終盤は回避スペル無効で確実に盤面的優位を取りに行くコンセプト。
連続優勝となるが、大会の内容としては3名の勝率が一致し、お互い1敗ずつしているような形になったため、圧倒的だったというほどではない。
決勝トーナメントではシードを勝ち取り、予選で負けた相手に勝利する形で優勝した。

軽く解説をしておく。
先行初動として9幽香で攻撃し、相手の攻撃をスキップしたうえで2鬼人正邪で相手の盤面を確認・破壊していくことで序盤から有利を得る。
その後も12夢月&幻月で盤面を確認・次の攻撃につなげながら攻撃スペル封じ、5吉弔八千慧で攻撃スペル封じ、7古明地さとりで攻撃スペル封じと相手に何もさせずに戦い、11八雲藍で中央を開けて終盤戦も有利に進める。
最終盤面は1チルノ、10封獣ぬえ、6杖刀偶磨弓と高性能な形にすることが可能で、序盤中盤終盤隙が無い。
攻撃失敗自体は起こりやすいので、高数値や回避スペルなどでアドバンテージを確保するデッキは多少苦手だが、それをケアするために攻撃をしない3文も採用されているというところか。
このデッキの先行を如何に流すかというのを、大会で戦う上では意識しておきたい。


1チルノ.jpg2森近霖之助.jpg3宇佐見菫子WIKI.jpg4ルナチャイルドWIKI.jpg
5スターサファイアWIKI.jpg6サニーミルクWIKI.jpg7古明地さとり.jpg8チルノvs魔理沙WIKI.jpg
9輝夜.jpg10チルノjpg.jpg幻想郷異伝11コンガラキクリ.jpg12チルノWIKI.jpg

準優勝は妖精デッキ。
一度大会中に優勝デッキを倒しているため結果からみれば大きな差はなかったといえるが、やはりデッキパワーは優勝デッキに一歩劣るといえるだろう。
序盤からスペル無しや弾幕攻撃を使ってうまく相手の盤面をコントロールしながら細い攻めを通していく必要があり、攻撃側が結構大変。
5スターサファイアや10日焼けしたチルノを序盤に使いやすく、6サニーミルクなど守護札シャッフルも備えている点が9幽香をいなし易く設計されており、大会用に調整されていることが見てうかがえる。
4咲夜ではなく9蓬莱山輝夜を確定撃破枠に採用しており、デッキパワーを犠牲にして安定と読み合いを重視しているため、普通に使うと弱そうだしあまり真似しないほうがいい。
2大妖精ではなく8チルノvs魔理沙を採用しており、弱いカードを回収するということが無いのもポイントか。
11コンガラキクリがかなり珍しい採用で、10封獣ぬえを採用できないことによって1チルノへのガードが下がるところをこのカードでカバーしている。
4を回収したいというより2理香子なども視野に入れた非撃破系カードに対する対策枠であり、このカードの効果自体を使うのが目的ではないという点に注意。




【東方如何月2021年第一回大会】

コロナウィルスの影響によりしばらく大会開催がなかったため、1度に2デッキのカードプールが追加された大会。
鬼形獣デッキと幻想郷異伝&魔界の住人デッキが加わっており、大会自体は黄昏の宴デッキ発売日に行われた。
大会は途中のデッキ変更可というルールでの総当たりオープンルールで行われ、久々の交流会ということもあり参加者7名で緩く和気あいあいと開催された。

幻想郷異伝9幽香.jpg2鬼人正邪WIKI.jpg

新弾で今回最も注目を集めていたのがこの2枚。
9幽香によって相手の攻撃フェーズをスキップし、2鬼人正邪で2枚めくるという理不尽ムーブである。
7名中実に4名ものプレイヤーがデッキを組んでおり、決勝も9幽香採用妖精デッキVS9幽香採用攻撃スキル無効デッキの対戦となった。
ただし、9幽香自体がゲームを終わらせるという展開は多くなく、環境破壊というよりは新弾でわかりやすく強力なコンボだったため使用されたというところだろう。

幻想郷異伝12夢月幻月.jpg5吉弔八千慧WIKI.jpg

他にも、この2枚の攻撃スペル無効を採用したデッキが優勝したこともあり、攻撃スペル無効にも注目が集まった大会となった。
現環境では攻撃スペルと回避スペルが8:4程度で採用されることが多いため、攻撃スペル無効は非常に強力であるといえる。
これは相手に攻撃を受けた後、確実に強く殴り返せるように盤面に毎ターン2枚の攻撃用カードを配置したいためである。

今回の攻撃スペル無効は自分自身が攻撃スペルであり、高い発動率を誇る(回避スペルでは能動的に発動できない)。
そのうえ、先行初手9幽香→2正邪で2枚めくって中央を撃破すればほぼほぼ返しで相手は表側のカードで攻撃しなければならないということもあり、安全確実に5八千慧や12夢月幻月での攻撃につなげられるということで、先行をとって正しくプレイするとよほど運が悪くない限りはゲームのイニシアチブをとれるというデッキであった。
このデッキはまた新たに環境トップクラスに存在しうるデッキであると予想される。

魔界の住人12神綺.jpg魔界の住人9アリス.jpg魔界の住人7シンギョク.jpg

また、優勝とはいかなかったものの高い勝率を誇る新しいアーキタイプとして、魔界も存在した。
こちらはコピー先を9アリスだけに特化したもので、毎ターン自陣をシャッフルし続けつつ6メルランや2妖夢などの優秀な防御カードを使いまわす構成であった。

幻想郷異伝2朝倉.jpg幻想郷異伝6くるみエリー.jpg

また、紹介は省くがガチデッキについても2理香子先行初手中央攻撃からの弾幕攻撃によるワンターンキルや6くるみ&エリーを採用したもの、新カードを使用しない昔のままのものなどがあり、どれも高い勝率を誇っていた。

幻想郷異伝1夢美ちゆり.jpg

他にも、1ちゆりが低数値でありながら確定撃破枠として使用できるようになったこともあり、1チルノに代わる選択肢として活躍した。

まとめると、この環境においては以下のようなデッキが大会で強いアーキタイプだったといえる。
妖精とガチデッキしかいなかった前環境を考えれば、新弾のカードが活躍したことも含め良環境だったといえるだろう。

1.妖精
2.攻撃スペル無効
3.9幽香2正邪
4.ガチデッキ
5.9アリス11豪族魔界

10封獣ぬえ.jpg1チルノ.jpg4霧雨魔理沙.jpg

ここまでいろいろ述べた結果を覆すようだが、9幽香や攻撃スペル無効がいかに強力とはいえそれが環境を支配していたとは言い難いというのが著者の見解である。
上位デッキ同士の対戦はどれも圧倒的な差などはなく、どれが優勝してもおかしくないバランスであったという前提の上、
9幽香を採用したデッキの数は多かったとはいえ、最後に上位に残っていたデッキでの採用率は5割ほどであった。
それに対して、上位デッキの7割に共通していた枠として、10ぬえ・1チルノ・4魔理沙があげられる。
また、そうでないデッキも12チルノと7霊夢を採用するなど、環境上位デッキは共通して終盤戦を意識した構築であるということが言えるだろう。
これは、如何月におけるもっとも重要なポイントはいかに理想的な最終盤面を作るかということだということの表れであるといえる。
自分でデッキ構築をする際は、ぜひこの点を意識したい。




【第八回公式大会】

カードプールの更新は無し。
言及していない新カードとしては天狗が登場しているが、種族統一としてはあまり強いとは言い難いカード群であったため、ほとんど環境は変わらず妖精vsガチデッキという構図になった。
ただし、10射命丸文は汎用性が高く4十六夜咲夜の12打点攻撃を防げるため、環境でもよく見られる1枚となった。

10射命丸文WIKI.jpg

この大会はオープンルールになってから初のオフライン大会であった。
同時に、3射命丸文の先行攻撃スキップが理不尽であるため、先行初手の攻撃スキップは禁止というルールもここで追加されたため、ますます後攻初手の妖精の回収盤面を崩しにくくなってしまった

この大会では、ガチデッキがオープンルール対応・10射命丸文と高自機対策を積んでおり、妖精を2人倒して優勝という成績を収めた。
オープンルールにおいては「相手のデッキを判断して先行に9藤原妹紅を使うか確定撃破を行えるかが重要である。」
というのも新弾で10射命丸文が登場したことにより、基本的に後攻初動がガチデッキだけでなく10射命丸文もよく見られるようになって高数値盤面が増加傾向にあった上で回収妖精も見られることが多く、それらに対応した初手を選ぶことが必要になったためである。
その点、妖精は4咲夜か9妹紅となるが10射命丸文に完璧に対応されてしまうのに対して、ガチデッキは5レミリア・スカーレットを採用することで確実に撃破することを可能にしている点が優位であるといえる。(この動きに人間カードが必要なため、ガチデッキの優勝レシピの6を藤原妹紅に差し替えた方が良いとされている)

また、ガチデッキは対妖精に対して2魂魄妖夢が追加の12になるため初手4十六夜咲夜や9藤原妹紅をいなしやすく、さらに12魂魄妖夢により比較的盤面が弱くなりやすい妖精に対して強いプレッシャーを与えることに成功している。

これらの対応力を鑑みてガチデッキの対応力が再評価され、現状環境はガチデッキと妖精の2種がトップデッキと言われている。


1チルノ.jpg2妖夢.jpg3本居小鈴.jpg4霧雨魔理沙.jpg
5レミリア.jpg7ゆうめでぃ.jpg7古明地さとり.jpg8咲夜&美鈴.jpg
9藤原妹紅.jpg10封獣ぬえ.jpg11豪族乱舞.jpg12魂魄妖夢.jpg

後攻時はガチデッキらしく11神子&布都&屠自古と回避高数値札を置くだけで、先行時は5レミリア・スカーレットと9藤原妹紅の両建てで構えられる。
相手が妖精系のデッキであれば9藤原妹紅で5レミリア・スカーレットをコストに殴っていくし、高数値カードが予想される場合は5レミリア・スカーレットでめくって確定撃破する。
このとき、人間をコストにしなければならないので、現在は6幽香&メディスンよりも6藤原妹紅が優先される。




【第7回オンライン大会】

ここではついに種族強化第一弾として、妖精の超強化が行われた。
まさに超強化という内容で、妖精は一気に環境デッキに食い込むこととなる。

主に強力だったのは「6での種族限定火力加算➕11神子&布都&屠自古効果」「5での9以下回収」「4での攻撃スペルによる10回収」「12自機での延命効果(しかも10で復活できる)」この辺りだろう。今までのカードパワーでは考えられないほど強いカードが大量に登場することになった。


4ルナチャイルドWIKI.jpg5スターサファイアWIKI.jpg6サニーミルクWIKI.jpg12チルノWIKI.jpg

これにより高自機も妖精に限り強くなり、ガチデッキを超える後攻初手の回避(回収)力も持つようになった。さらに平均打点も9藤原妹紅と6サニーミルクで高く確保できており、なんなら弾幕の回数も普通より多かったり、攻撃で10以上を回収できるということで安定した回収力も実現するというとんでもないことになってしまう。
特にこのころは
「回避スペルは発動率が1/3なので弱い。攻撃スペルの組み合わせでアドバンテージを取るデッキを作るべき」
となっており、5ドレミースイートや6パチュリーノーレッジが使われるかどうかというところへのこの強力な攻撃カード群であり、その衝撃は凄まじいものだった。
また、妖精は9藤原妹紅の安定初動に加えて高自機を生かして4咲夜による初手12攻撃も可能としており、ガチデッキへの対応も可能にしたまさに最強スペックを誇るようになった。

実際ガチデッキとの直接対決にも勝利しており、妖精は名実ともに最強の座を手に入れた

1チルノ.jpg2リグル.jpg3射命丸文.jpg3咲夜.jpg
5スターサファイアWIKI.jpg6リリーホワイト.jpg7古明地さとり.jpg8さとり.jpg
9藤原妹紅.jpg10封獣ぬえ.jpg11豪族乱舞.jpg12チルノWIKI.jpg

3チルノを捨ててまで3射命丸文を採用した妖精。
妖精の弱点だった3チルノの回収先がが弱すぎるという問題も、スターサファイアであれば9以下を回収できるため解決されている。
そのほかは基本的に強いとされているカードを集めた形で、デッキパワーが高い。
3射命丸文は7古明地さとりでコピーすることも可能であるため、終盤ひたすら攻撃しない作戦も強力だが、相手も同じなのでチキンレースになることもしばしば。
8古明地さとりは自分のデッキ内だと5スター・サファイアしかないという漢構築。




【第6回オンライン公式大会】

3射命丸文が波乱を起こしたのがこの時代である。
3射命丸文はデメリット一切なしで相手の手札を1枚ピーピングしながら攻撃をスキップするカードであり、当然先行で投げれば確定1アドバンテージであり、中盤で投げても攻撃スキップがそもそもリスクだけを相手に押し付けることになるうえ、最終盤のピーピングは相手の配置をほぼ読みきれるようになるため、序盤中盤終盤とにかく強い札となった。

実際、オンライン大会でも猛威を振るい、先行3射命丸文はあまりにも理不尽であるということで、後にルール変更にまで発展することになった。
また、このタイミングで対戦前にお互いのデッキを公開するオープンルールが生まれた。これにより、より読み合いが狭く深いゲームとなった。

3射命丸文.jpg




【第五回公式大会】

相変わらずガチデッキが1強を維持することになる。
新しく生まれた概念としては、
「1チルノに対して2リグル・ナイトバグがカウンターになるが、1チルノを使う側が2リグル・ナイトバグを入れると7古明地さとりでコピーされて負け筋になる」
というものがある。
この時点で強いデッキを組むのであれば、11神子&布都&屠自古10封獣ぬえ 9藤原妹紅 8咲夜&美鈴 7古明地さとり 4霧雨魔理沙 3小鈴 1チルノ くらいまでは決まってしまっていたため、勝つためにはほぼ代わり映えのしないデッキを使う必要があった。

この辺りで、開発側から「種族統一デッキを強化していく方針」が打ち出されることになる。
つまり、11神子&布都&屠自古など仙人は汎用枠として使ってもらうようにしつつ、基本的に種族を統一した方が強い設計にするということである。
これは東方プロジェクトファンに重視されがちな「キャラや所属での統一感」といったものを持ったデッキが、単純に強いカードで固めたガチデッキに勝てないという事態は望ましくないということが理由になる。

2リグル.jpg



【第四回公認大会】

ガチデッキが後攻において非常に強力な盤面をしいているのに対し、先行で欲しい確定撃破カードは自機をスペル無しにしたり、高数値にする必要があった。
しかし、スペル無しを運用することそれ自体がデッキパワーを落とす行為であり、当時は
高自機は「高自機を守護札で使えないため回避力を落してしまい、弱い」

とされていたため、別の解決手段が求められていた。

そこで使われたのが3伊吹萃香である。
3伊吹萃香は攻撃を行わない上に2森近霖之助と違って手札消費もなかったため、先行後攻の手札差を維持したまま後攻にターンを渡すことが可能であった。
これによりガチデッキ側は初手に11神子&布都&屠自古を無駄に切らされてしまう上に後攻の1枚負けを取り返せないということで、有利を取れた。
これにより、
「攻撃を行うことは、成功してプラスマイナス0、失敗してマイナス1であるただのリスク行為であり、可能な限り行うべきではない」
「10封獣ぬえが1チルノに対してカウンターになる上、何に殴られても基本的に有利になるように盤面を調整でき、最終盤に有力である」
「最終盤に1チルノ 10封獣ぬえ 7古明地さとり の3枚(➕自機4霧雨魔理沙)を揃えるのが終盤に最強である」

という考え方が生まれた。

ここで使われた優勝デッキは、12萃香と3萃香、7古明地さとりを組み合わせた自機入れ替えかつ攻撃スキップを繰り返すギミックとして有力なものではあったが、後攻で安定しないため定着することはなかった。


1チルノ.jpg2幽谷響子.jpg3伊吹萃香.jpg4霧雨魔理沙.jpg
5幽々子.jpg6メルラン.jpg7古明地さとり.jpg8咲夜&美鈴.jpg
9藤原妹紅.jpg10封獣ぬえ.jpg11豪族乱舞.jpg12萃香.jpg

先行時に自機を8咲夜&美鈴にしておき、3伊吹萃香で入れ替えて攻撃スキップするところから始まる。(相手の初手9永江衣玖対策)
その後12伊吹萃香で盤面の8咲夜&美鈴かほかのカードと入れ替えつつ、その後は9藤原妹紅で戦ったり終盤に4霧雨魔理沙と自機を入れ替えたりする。
盤面に残った3伊吹萃香を再利用したり、7古明地さとりでコピーして自機にもっていったりと、芸が広いが後攻で弱い。




【第三回公認大会】

如何月において強いデッキ、環境、勝ち方が明確化された大会。
この大会は、優勝準優勝プレイヤーが一緒にデッキを研究し、トーナメントの反対同士から勝ち上がって決勝戦でミラー対戦を行ったことが有名。

この大会において、
「最終盤の1チルノが相手の自機攻撃を防ぐかつほぼ全ての守護札を落とせるためためグレイズ・詰めにおいて最強」
「回収しなくても回避成功することで手札差を作ることが可能」
「高数値を並べて回避率を上げ、11神子&布都&屠自古や5上白沢慧音などで回収し使いまわすことでアドバンテージを得る」
「9藤原妹紅を使い回すことで4霧雨魔理沙などの底数値で強力なフィニッシュ効果持ち自機を安全に運用可能かつ平均攻撃力を向上」

という戦術が生まれた。

この概念は、それまで限られたデッキでしか行えなかった「回収による手札差を作る」という動きに頼らずに意図的に手札差を作ることが可能であるということを証明しただけでなく、その後の如何月においてもっとも基本的な勝ち方、「手札差をつけて1チルノで詰める」という考え方を確立させることとなった。
なお、このデッキは決まった名前がなく、よくプレイヤー間で「ガチデッキ」と呼ばれるため、以後このデッキをこのページではガチデッキと呼ぶ。

多くのプレイヤーが初手3-8などで攻撃を行なっている時代にこのデッキは初手11、10、12という圧倒的な回避盤面を作り上げており、終盤の詰め手順が存在しない環境で一方的に7古明地さとりと1チルノ、自機4霧雨魔理沙による詰め性能を持っていたことから、入賞独占という結果は妥当であったと言える。

なお、特殊な点としてこの時代では前述のように後攻で高い回避盤面を作れる反面、先行攻撃手段が9藤原妹紅しかなかっため後攻有利とも言われていた。


1チルノ.jpg2妖夢.jpg3赤蛮奇.jpg4霧雨魔理沙.jpg
5慧音.jpg7ゆうめでぃ.jpg7古明地さとり.jpg8咲夜&美鈴.jpg
9藤原妹紅.jpg10さくみょん.jpg11豪族乱舞.jpg12博麗霊夢.jpg

ガチデッキは後攻の場合初手から11神子&布都&屠自古,10咲夜&妖夢,8咲夜&美鈴と並べていき、確実に回避して11神子&布都&屠自古で回収するという動きでいきなりアドバンテージの損を回収し、その後も9藤原妹紅を維持しながら高い防御力を維持しつつ。その他回収カードで何度も盤面をシャッフルすることで読み愛を有利に進める+高数値をガンガン使いまわすというコンセプト。
当時は非常に強力であり、その後も幾度となくアップデートを繰り返し、長く生き残り続ける。




【第一回公認大会から第2回公認大会まで】

※著者は第一回交流会からの参入であるため、この時期については主にトッププレイヤーの一人であるブバル氏より伺ったものが中心となります。

如何月が生まれ、大会が開かれるようになった最初期の時代。

この時代では当然ながら明確な環境デッキというものは存在せず、何が強いのか、どうやって勝つかも定かではなかった。(強いていえば月の民と妖精が環境デッキだったと言える)
実は特殊勝利が最強では?などと本気で考えられていた時代である。

だいたいこのころの認識は
「カードを回収できると手札差がついて有利、回避スペルが全体的に強い」
「自機は4の数値上昇系にしておくのが良い」
「11神子&布都&屠自古は読みあいゲーなのに一方的にシャッフルできて強い」
「9藤原妹紅は9使いまわせて強い」
「1の枠は1ルーミアがワンチャングレイズできるし位置調整できるので安定」
程度のものであった。
結果的に回避でカード回収を行える「月の民」「妖精」「妖獣」が強そうと言われていたが、それでも安定して勝てるとは言い難く、環境に多様なデッキに溢れていた。
如何月史上最も多くのデッキが許容された時代と言える。
今ほど初手から厳密に計算されることもなく、弱いカードは序盤に切っておこうという考えも多かったため初手3赤蛮奇で攻撃して通ってしまうようなことも多かった。

このころはオープンルールも存在せず、相手のデッキ内容も不明のまま対戦を行なっていたため、読み合いも安定しないことが多く事故的な決着も多くみられた。


1蓮子&メリー.jpg2鈴仙.jpg3ていんげ.jpg3咲夜.jpg
5うどんげ.jpg6蘇我屠自古.jpg7鈴仙.jpg8永琳.jpg
9輝夜.jpg10ドレサグ.jpg11美鈴.jpg12妹紅.jpg

こちらは第二回優勝の月の民デッキである。
12藤原妹紅を自機として最終盤のグレイズ勝利を視野に入れつつ、9蓬莱山輝夜、4十六夜咲夜の確定撃破や8八意永琳による回収など、高数値自機を生かしたデッキ。
不安定ながら5鈴仙・優曇華院・イナバで8八意永琳を回収する動きもあり、わかりやすくシナジーがあるためよく使用された。
対抗馬として妖精デッキがあったが、あちらは盤面が弱くなりやすかったり回収効果を余らせてしまうことが弱く見られており、大会では月の民やそれに3チルノを混ぜたデッキが多かった。

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  • 最終更新:2022-12-20 16:02:24

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